「神様のくれた背番号」<渡辺保裕>を読んだ感想。誰もが夢見る御伽噺

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40歳のホームレスが神様の力で
天才的野球選手に生まれ変わり、

40歳のオールドルーキーとして
阪神タイガースに入団する物語です。

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これを見た皆さまは、
なんととてつもない物語だと思われ
るでしょう。

そう、
この物語はとてつもないのです。

 

 

この物語の主人公であるケンちゃん
こと飛田謙吉は、まさに野球漫画の
世界の住人です。

投手としては160キロオーバーの
ストレートを投げ、

打者としては相手の球を軽々と
スタンドに打ち込みます。

 

 

はっきり言ってしまえば、
この主人公は
イチローと田中と前田と松井を
合わ
せたような超人です。

つまりこの小説は超人主人公が
なみいるモブを蹴散らして
暴れまわる俺ツエー小説、

「ではない」のです。

 

 

実は主人公ケンちゃんはただの
狂言回しに過ぎません。

この物語の主人公は、
そんなケンちゃんに夢を見せられて
救われていく、

周りの名もなき(もちろん名前は
ありますが)人々なのです。

 

 

社会の荒波にもまれたホームレス
たち、心臓に病気を抱える少年、

小さな鉄工所の社長、
そんな彼らがケンちゃんに途方も
ない幻想を見せられて

もう一度立ち上がっていく、
これはそんな御伽噺なのです。

 

 

この物語にはリアリティや設定の
緻密さといったものはありません。

しかし、小説として、物語として
もっとも大切な何かはふんだんに
あふれています。

厳しい世の中、
ろくでもない世の中にげんなり
した人は是非この小説を読んで
ください。

きっとそこには救いが待って
います。

 

 

御伽噺としてみると、
この「神様のくれた背番号」は
10年に一度の名作です。

御伽噺が好きなら、
はずせない作品だと言えます。

 

 

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